SatoYuki-Yuki Sato's Law Blog-

Partner, Attorney at Law admitted in Japan and New York. My areas of practice include M&A, corporate laws, investment funds as well as capital markets.

初夏のファンド/M&A/投資関連無料法律相談やります。

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先日、私も執筆に参加しました『投資事業有限責任組合の法務・税務(改訂版)』

www.zeikei.co.jp

が、税務経理協会より、2020年5月に発行されました。これは10年前に発行されたLPSに関する法務税務上の論点を網羅的に記載した書籍の大幅改定版となっております。平成27年金商法改正、先日施行された外為法改正も盛り込んだものとなっています。ホワイト&ケース時代に大変お世話になったパートナーから後輩弁護士と、(みんな当時の事務所を辞めているため)ファンド法務税務研究会という名称で、出させていただいたものです。 これを祝して?①LPSをはじめとする各種ファンドの方(PE、VC、CVCなど)と、②ファンドから投資(買収も)を受けるかもしれない企業の方を対象に、以下のようなトピックを中心に、無料法律相談を開催したいと思います。

・ ファンド組成に関する金商法その他のレギュレーション(組成時、期中の報告等)

・ LPSその他ファンド組成の契約書類(外国籍ファンドは海外法律事務所と連携して対応しています)

・ LP投資家との交渉

・ CVCの場合の注意点(社内外の調整)

外為法改正等

・ 資金調達後の適切な運営に向けた株主間契約、投資契約の作成

・ セルサイドでのDD対応

・ 買収に関する契約交渉

実施期間は、2020年7月2日(木)から7月10日(金)、1回30分~1時間程度となります(ただし、土・日・祝日は除きます。)。予約制となりますので、ご希望の方は、弁護士佐藤有紀(y.sato@innovationlaw.jp) 宛に下記のフォームに従ってメールでご連絡下さい。原則オンライン面談とさせていただきますが、密にならないように事務所(@赤坂)にて面談をすることも可能です。

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1.会社名及び氏名:

2.住所:

3.電話番号:

4.会社及び業務の概要(ごく簡単にで結構です):

5.相談の概要:

6.相談希望日時(なるべく幅を持たせて下さい):

       第1希望:

       第2希望:

       第3希望:

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We will have a free legal consultation for investment funds or foreign companies investing into Japanese companies or seeking Japanese investors, from July 2nd to 10th, 2020 (excluding bank holidays). Please kindly note that topics are Japan regulations on investment funds/foreign investments including licensing requirement under the Financial Instruments and Exchange Act, recent amendments on the Foreign Currency and Foreign Trade Act. f For booking, please contact Yuki Sato at y.sato@innovationlaw.jp with the information below. You will have 30min to 60min via online or at my office in Akasaka. Sorry but we do not provide e-mail consultation on legal matters.

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1.Company name and your name:

2.Address:

3.Tel:

4.Outline of your business:

5.Your question/concern:

6.Preferred dates and times:

       First choice:

       Second choice:

       Third choice:

社外高度人材に対するストックオプション税制の適用拡大とベンチャーキャピタル等の定義

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沖縄県恩納村の夕景です。本文とはあまり関係ありませんがw

法改正等については、基本的に事務所HP上のブログ(https://innovationlaw.jp/blog/)に回しているため、久しぶりになってしまいました。

経済産業省(「経産省」)が、社外高度人材に対するストックオプション税制の適用拡大(https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/stockoption.html)を公表しましたね。当該制度は、ストックオプション税制の適用対象者を、現行の社内の取締役及び従業員等から、高度な知識又は技能を有する社外の人材にまで拡大するもので、設立10年未満等の「一定の要件」を満たす株式会社が「社外高度人材活用新事業分野開拓計画」を策定し、主務大臣による認定を受けることで、当該計画に沿って行う新事業に従事する社外高度人材に対して付与するストックオプションについて、課税の繰り延べ等の税制優遇措置が適用されることになります。
「一定の要件」の中には、「ハンズオン支援を行う、ベンチャーキャピタル等から出資を受けていること。」という要件があり(https://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/gaiyou_so.pdf)、ベンチャーキャピタル等とは、法律上どのように定義されているのか少し気になりましたので、改正法をちょっと見てみました。

中小企業等経営強化法第2条第8項では、「新事業活動に係る投資及び指導を新規中小企業者等に対して行うことを業とする者として経済産業省令で定める要件に該当する者から投資及び指導を受け、…新たな事業分野の開拓を図ること」を「社外高度人材活用新事業分野開拓」と新たに定義しております。この中の「新事業活動に係る投資及び指導を新規中小企業者等に対して行うことを業とする者として経済産業省令で定める要件に該当する者」というのがどうやらベンチャーキャピタル等を意味しているようです。では、経済産業省令=中小企業等経営強化法施行規則で定める要件はどうなっていますでしょうか。中小企業等経営強化法施行規則第3条では、

「法第2条第8項の投資及び指導を新規中小企業者等に対して行うことを業とする者として経済産業省令で定める要件に該当する者は、民法明治29年法律第89号)第667条第1項に規定する組合契約によって成立する組合、商法(明治32年法律第48号)第535条に規定する匿名組合契約によって成立する匿名組合投資事業有限責任組合投資事業有限責任組合契約に関する法律(平成10年法律第90号)第2条第2項に規定する投資事業有限責任組合をいう。以下同じ。)若しくは有限責任事業組合有限責任事業組合契約に関する法律(平成17年法律第40号)第2条に規定する有限責任事業組合をいう。)若しくは外国に所在するこれらの組合に類似する団体又は株式会社若しくは合同会社であって、新事業活動に対する資金供給その他の支援又は新事業活動に対する資金供給その他の支援を行う事業活動に対する資金供給その他の支援を行うものをいう。」

と定められており、一般的なファンド形態と「新事業活動に対する資金供給その他の支援」又は「新事業活動に対する資金供給その他の支援を行う事業活動に対する資金供給その他の支援」を行うことが定められており、いわゆるVCといって思い浮かべるような形態とさほど齟齬がないように思われます。今後、VCと契約書上言われたらこちらの条文を引用することになるのでしょうか。「おま、VC言っていたけど、違うじゃん」なんてファンドさん出てきたりして…。

ちなみに、「社外高度人材活用新事業分野開拓計画」(中小企業等経営強化法第8条第1項)の認定申請では、新事業分野の内容や、社外高度人材をどう活用するのかといったことを記載することになります。

また、社外高度人材として、経産省は6つのケースを挙げていますが、

  • 国家資格を有し、当該資格に関する3年以上の実務経験がある者
  • 博士の学位を有し、研究、研究の指導、教育に関する3年以上の実務経験がある者
  • 上場会社の役員(取締役、会計参与、監査役、執行役)として3年以上の実務経験 がある者

あたりが多そうです。社外高度人材活用新事業分野開拓計画を開始する日から遡った10年間に、日本の 公私の機関で製品または役務の開発に2年以上従事し、、開発した製品または役務の売上高が全事業の売上高の1%未満から1%以上まで増加した(上場会社の場合)、開発した製品または役務の売上高が100%以上増加した(非上場会社の場合)ような者、と新事業開発に関与した経験も社外高度人材として記載されていますが、この数字ってどうでしょうね・・・?

また、経験上、こういった人へのSO付与は結構早い段階だと思うので、VCが入った後でないと使えないこの制度の恩恵は得る場面は意外と少ないように思います。

さて、ストックオプション税制の適用拡大とは直接関係があるわけではありませんが、SOICOさん主催の「【経営者必見】ベンチャーの資金調達と効果的なインセンティブプランについてのセミナー」において「弁護士に聞く、資金調達の実務と投資契約書の論点」ということで少しお話をさせていただく機会を頂戴しました。ご興味あれば是非ご参加いただければと思います。今回の適用範囲の拡大に関しても土岐さんパートで少し触れられるかもしれませんし、パネルディスカッション後の懇親会でも結構話題になるかもしれません。
セミナーのURLは以下のとおりです。
https://venturelaw.peatix.com/

 

改めて読む「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律 第二節 有限会社法の廃止に伴う経過措置」のうちM&Aに関連する条項

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桜のシーズンの目黒川


事業承継関連で、特例有限会社(旧有限会社法上の有限会社)が関連するM&Aのご相談を受けることがありますので、改めて「会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(整備法)「第二節 有限会社法の廃止に伴う経過措置」のうちM&Aに関連する条項を整理しました(DDに際して、定款や登記の確認にあたって、みなし規定に留意が必要ですが、こちらは今回のブログからは省略しました。定款や登記の記載からだけでは、特例有限会社の状況が把握できず整備法の記載と照らし合わせて初めて特例有限会社の状況がわかるため、特例有限会社を事業承継等で買収する場合は、弁護士を手続きに関与させておくのが良いと思います。)。会社法制定時には、色々経過措置等チェックすることが多かったですが、会社法が施行され既に10年以上が経過し改めて復習する感じです。

第9条 (株式の譲渡制限の定めに関する特則)

  1. 特例有限会社の定款には、その発行する全部の株式の内容として当該株式を譲渡により取得することについて当該特例有限会社の承認を要する旨及び当該特例有限会社の株主が当該株式を譲渡により取得する場合においては当該特例有限会社会社法第136条又は第137条第1項の承認をしたものとみなす旨の定めがあるものとみなす。
  2. 特例有限会社は、その発行する全部又は一部の株式の内容として前項の定めと異なる内容の定めを設ける定款の変更をすることができない。

定款の記載に関わらず、特例有限会社は、譲渡制限会社として、株主が株式を譲渡する場合は、会社の承認が必要ということになります。登記事項証明書には記載されることになります(会社法911条第4項第7号参照)ので気が付かないという事はないと思いますが、特例有限会社を買収する場合は認識しておくべき条項ということで。

第37条 (合併等の制限)

特例有限会社は、会社法第749条第1項に規定する吸収合併存続会社又は同法第757条に規定する吸収分割承継会社となることができない。

特例有限会社は、合併の際、存続会社になることはできないため、特例有限会社側を存続会社にするためには、特例有限会社を通常の株式会社に移行させることが必要となります。特例有限会社を通常の株式会社に移行させるには、商号変更を行うことによって(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第45条)特例有限会社を解散、株式会社を設立することになります(同法第46条)。なお、特例有限会社が消滅会社となる合併については、特に制限はありません。

第38条 (株式交換及び株式移転に関する規定の適用除外)

特例有限会社については、会社法第五編第四章並びに第五章中株式交換及び株式移転の手続に係る部分の規定は、適用しない。

特例有限会社は、株式交換や株式移転の対象となりません。特に、株式交換に対象とならず、そのままでは、株式交換による完全子会社化をすることができないことには留意が必要で、前述の商号変更による株式会社への移行を先立って行う必要があります。

新年のご挨拶とご報告

 

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BOTANISTで有名なI-neのクリエイティブチームに作って頂いたロゴです。


明けましておめでとうございます!

さて、私こと、King & Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業を円満退所し、1月より、大手法律事務所のパートナーを務め、独立後はブロックチェーンフィンテック等先端的な法律分野を多く扱う斎藤創弁護士が設立した創法律事務所にパートナーとして移籍しました。同事務所は、創・佐藤法律事務所として新たなスタートを切ることとなります。

斎藤先生のことはブロックチェーン関係に詳しい人として名前は知っていたのですが、昨年人の紹介で話す機会があり、話始めて1分後には「イノベーションが・・・」とか言い始め、こんなめずらしい弁護士もいるんだとうれしい驚きを感じたことを覚えています。私と同様、ファイナンス分野が元々の専門で、証券化案件、バーゼルIIIやISDA等に関わっていたのに(私はバーゼルIIIは外資系金融機関から質問を受けてリサーチしてたくらいしか経験はありませんが)、今はスタートアップ企業など新しいビジネス、新しいビジネスをめぐる法分野に関与しているというめずらしい経歴の人です(たぶん)。

私は、これまで、エクイティファイナンス、各種ファンド取引、証券化M&Aなどを取り扱い、加えて近年はスタートアップやCVC設立や新規事業に関し多くリーガルアドバイスを提供してきました。

また、King & Wood Mallesonsでは、KWMのネットワーク経由で、中国、香港、イギリス、オーストラリア等クロスボーダー案件に関与する機会も多く、関係者間の調整はなかなか大変でしたが、この年になっても大変に学びの多い環境でした。

今年、創・佐藤法律事務所では、今後、AI、ロボティクス等についてより拡大していこうと話をしています。

また、これまでの経験を活かし、中国、東南アジア、アメリカ、東欧を含むヨーロッパ各国等海外ネットワークも生かし、アウトバウンドM&Aを含む、クロスボーダー取引のサポートにも力を入れていきたいと思います。

もし、皆様の周りでリーガルニーズがありましたら、是非ご紹介ください!

2019年が皆様にとって素晴らしい1年になりますように!

本年も宜しくお願いいたします。

今年もありがとうございました。

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King & Wood Mallesons東京です。

いよいよ2018年も残り僅か。

本年も、沢山の方に支えられ、仕事にも恵まれ、過ごすことができました。

本年末でKing & Wood Mallesons法律事務所・外国法共同事業(「KWM」)を離れることとなりました。来年からどうするかは次回のブログにて報告するとして、KWMでは、私を含む日本人パートナーのKWMへの移籍前からの既存のクライアントの案件をやりつつ、それにKWMのグローバルネットワーク経由で受注する案件がそれに重なるという形であり、いちおグローバルファームなのに個人のトラブルなどを扱っている先生もいたり、他方日本経済に大きな影響を与えるかもしれない案件の法務アドバイザーだったりして本当に多種多様、そして一緒に仕事をするローヤーも日本、中国、イギリス、ドイツ、スペイン、オーストラリア、シンガポール等々・・・以前米系ローファームにいたのですが、何だかそことも異なるダイバーシティに富む環境でした。

来年は新しい環境で最初はバタバタしているところもあるのですが、よりパワーアップした形でサービス提供できるかと思っております。

来年も、どうぞ宜しくお願い致します。

皆様にとって、2019年が素晴らしい1年となりますようお祈りしております。

弁護士との付き合い方

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このツリーはKing & Wood Mallesonsの北京オフィスが入っているビルのものです。

こんにちは。今日は、法務アドベンター参加記事となります。msut1076さん(

会社のカタチ #legalAC : 企業法務マン迷走記2)からバトンを引き継いでいます。

今日は、個別の法令やM&A事例紹介ではなく、たまに質問されるトピックについて書いてみたいと思います。法務クラスタの方であれば、特に目新しい話ではなくて恐縮です。
たまにされる質問とは、初めてお会いする方からの世間話的な「いつ弁護士をつければいいですかねー?」というものです。

そして、ちょっと話は逸れますが、数か月前、私は交通事故にあったんですよ!!まったく軽症だったのですが。

タクシーに乗って右折しようとしたときに、左折しようとした別のタクシー(乗客あり)にぶつかって。スピードは出ていなかったのに、ぶつかった時はかなりの衝撃を感じました。で、切り傷と打ち身でした。数センチずれたら女性の顔面に傷ができるところでしたよーー!

いやー、後部座席でのシートベルト絶対大事ですよ!!!これ絶対!!

(それが質問の答えではなくて)で、タクシーの運転手さん、警察官が来て、ちょっと立ち話をしたんですが、「人身にしますか?物損?」
私「えーっと・・・」
それにたたみかける複数人の(主語はあえて省きますが)「物損でも別に治療費などは保険で出ますし」「刑事罰を問いたいってことなんですか?」などなど。

イヤですね、これ。そして何がイヤって、私弁護士ですが、全くと言っていいほど交通事故に関する法的知識がないのです・・・(たしか司法修習では交通事故集中部の裁判官の話を聞いたはずですが・・・少なくとも実際の経験はなく。)。
交通事故について分かりそうな弁護士の友人に聞いてみたところ、「物損でいいですよ」と言ってしまうと、加害者や保険会社との交渉で不利になることもあるから、簡単に言っちゃダメだよ!とのこと。やはり・・・

私が強く感じたのが、情報の非対称性の中で意思決定するって本当に怖いということ。

私が契約のレヴューを依頼された案件でも、相手方は弁護士をリテインしておらず、総務の方が片手間法務で一応レヴューしているというところもありましたが、結構重要な契約でも法的リスクの分手析に関して十分とは言えない中契約を締結してしまうんだなと思うことがありました。弁護士をリテインするクライアント企業と法的リスクに関して特に分析しないで契約を締結する相手方企業様、情報の非対称性という意味では、私の交通事故と同じ様相だなと思ってます。

特に、外国企業との取引は注意が必要です。私も外国企業、外資系企業を代理することもありますが、彼ら、1stドラフトは本当に一方的なものを用意しますよ(それが普通)。それなのに、そこそこの規模の企業であっても日本企業側は他国企業と比べると修正してこない。おそらく、最終的な落としどころを見て修正してあげているのだと思います。でも、彼ら、しめしめと思っていますよ?海外とのやりとりは、英語ができる人が社内にいても弁護士必須と思いますね。

結局「いつ弁護士を付けたらいいですかねー?」には法的な情報の非対称性があるリスクを回避するため「そこそこ大事な契約をしようと思った時!」という答えになるんじゃないでしょうか。

明日はSatosiYAMAGATAさん

オリジナル設計株式会社に対する創業家資産管理会社による公開買付け

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オリジナル設計株式会社の創業家の資産管理会社による、同社株式の公開買付と自社株公開買付の案件は、一見地味とはいえ、なかなか興味深いです。

資産管理会社の公開買付は、創業者からの株式の取得を目的としていますが、創業者は、公開買付者である資産管理会社の特別関係者に該当するものの、形式的特別関係者(買付者との間の資本関係又は親族関係等の形式的基準に基づき特別関係者となるもの)[1]ではなく、実質的特別関係者(買付者との間の合意という実質的基準に基づき特別関係者となるもの)[2]であるようです。

すなわち、創業者は、資産管理会社や資産管理会社の親会社の役員にはなっていないようです。そのため、公開買付規制の例外の一つとして設けられている「株券等の買付け等を行う者がその者の形式的特別関係者から行う株券等の買付け等」(金商法第27条の2第1項但書。買付け等を行う日以前1年間継続して形式的特別関係者の関係にある者からの買付け等は、支配関係に実質的な変化が生じることが少ないことから公開買付けによる必要はないと考えられています。)によることはできず、公開買付が強制されることになります。

もっとも、資産管理会社は「当社株式 553,000 株(所有割合:8.20%)を所有する当社の第2位の大株主」(オリジナル設計[4642]:株式会社東京スペックスによる当社株式に対する公開買付けに関する意見表明のお知らせ 2018年11月5日(適時開示) :日経会社情報DIGITAL:日本経済新聞)であり、創業者は1,470,535 株(所有割合:21.81%)を保有しているに過ぎず、公開買付の上限も創業者の保有している株式数となっており、一見すると、株券等所有割合が公開買付後も約30%であり、いわゆる3分の1ルールに該当しないため公開買付けは不要と思われます。この点、開示資料によれば、当社による自己株式の取得にあわせて、創業者が所有する対象者株式を公開買付者に集約すること(「本件株式集約」)を実施することとしたことに伴い、

「当社の実施する本自己株公開買付けへの応募株式数によっては、結果として、本件株式集約及び本自己株公開買付けの実施後における公開買付者が有する当社株式の議決権の割合が3分の1を超える可能性があること(本自己株公開買付けにおける買付予定数の上限 (1,000,000 株)に相当する数の買付け等を行った場合、公開買付者の当社株式の議決権の割合は35.25%(小数点以下第三位を四捨五入)となります。)等を総合的に勘案し、公開買付者は、平成 30 年8月下旬に、株主間の平等及び取引の透明性を図る観点から、公開買付けの手法により、 本自己株公開買付けと同時に公表した上で本件株式集約を実施することが適切であると判断したとのことです。」

すなわち、同時に公表されている自社株公開買付と合わせて考えると資産管理会社の株券等所有割合が3分の1を超えるので3分の1ルールの適用があると考えるのが実質的に公開買付規制の趣旨に合致するため、形式的には公開買付は不要と判断できても公開買付のルールに基づいて株式を創業者から資産管理会社に移すということのようです。

また、開示資料によれば、対象会社と公開買付者の間で、本件株式集約と対象者が検討している自己株式の取得を実施するタイミングについて、協議を進めてきたとのことです。

おそらく、財務局等からの指導もありこのような公開買付を行うことになったと思いますが、公開買付をしても市場価格よりも安いいわゆるディスカウントTOBであるため、創業者以外の株主は公開買付に応募するとは考えにくい事案であり、本当に公開買付をするべき話であったのかは疑問が残るところではあります。

 

[1] 買付者が法人等である場合の形式的特別関係者としては、金融商品取引法施行令第9条第2項により、①買付者の役員、②買付者が特別資本関係を有する法人等及びその役員、③買付者に対して特別資本関係を有する個人並びに法人等及びその役員がこれに該当するとされています。

[2] 買付者との間で、①共同して株券等を取得又は譲渡すること、②共同して株券等の発行者の株主としての議決権等の権利を行使すること、③株券等の買付け等の後に相互に当該株券等を譲渡し、又は譲り受けることのいずれかを合意しているものがこれに該当します(金融商品取引法第27条の2第7項第2号)。