SatoYuki-Yuki Sato's Law Blog-

Partner, Attorney at Law admitted in Japan and New York. My areas of practice include M&A, corporate laws, investment funds as well as capital markets.

弁護士との付き合い方

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このツリーはKing & Wood Mallesonsの北京オフィスが入っているビルのものです。

こんにちは。今日は、法務アドベンター参加記事となります。msut1076さん(

会社のカタチ #legalAC : 企業法務マン迷走記2)からバトンを引き継いでいます。

今日は、個別の法令やM&A事例紹介ではなく、たまに質問されるトピックについて書いてみたいと思います。法務クラスタの方であれば、特に目新しい話ではなくて恐縮です。
たまにされる質問とは、初めてお会いする方からの世間話的な「いつ弁護士をつければいいですかねー?」というものです。

そして、ちょっと話は逸れますが、数か月前、私は交通事故にあったんですよ!!まったく軽症だったのですが。

タクシーに乗って右折しようとしたときに、左折しようとした別のタクシー(乗客あり)にぶつかって。スピードは出ていなかったのに、ぶつかった時はかなりの衝撃を感じました。で、切り傷と打ち身でした。数センチずれたら女性の顔面に傷ができるところでしたよーー!

いやー、後部座席でのシートベルト絶対大事ですよ!!!これ絶対!!

(それが質問の答えではなくて)で、タクシーの運転手さん、警察官が来て、ちょっと立ち話をしたんですが、「人身にしますか?物損?」
私「えーっと・・・」
それにたたみかける複数人の(主語はあえて省きますが)「物損でも別に治療費などは保険で出ますし」「刑事罰を問いたいってことなんですか?」などなど。

イヤですね、これ。そして何がイヤって、私弁護士ですが、全くと言っていいほど交通事故に関する法的知識がないのです・・・(たしか司法修習では交通事故集中部の裁判官の話を聞いたはずですが・・・少なくとも実際の経験はなく。)。
交通事故について分かりそうな弁護士の友人に聞いてみたところ、「物損でいいですよ」と言ってしまうと、加害者や保険会社との交渉で不利になることもあるから、簡単に言っちゃダメだよ!とのこと。やはり・・・

私が強く感じたのが、情報の非対称性の中で意思決定するって本当に怖いということ。

私が契約のレヴューを依頼された案件でも、相手方は弁護士をリテインしておらず、総務の方が片手間法務で一応レヴューしているというところもありましたが、結構重要な契約でも法的リスクの分手析に関して十分とは言えない中契約を締結してしまうんだなと思うことがありました。弁護士をリテインするクライアント企業と法的リスクに関して特に分析しないで契約を締結する相手方企業様、情報の非対称性という意味では、私の交通事故と同じ様相だなと思ってます。

特に、外国企業との取引は注意が必要です。私も外国企業、外資系企業を代理することもありますが、彼ら、1stドラフトは本当に一方的なものを用意しますよ(それが普通)。それなのに、そこそこの規模の企業であっても日本企業側は他国企業と比べると修正してこない。おそらく、最終的な落としどころを見て修正してあげているのだと思います。でも、彼ら、しめしめと思っていますよ?海外とのやりとりは、英語ができる人が社内にいても弁護士必須と思いますね。

結局「いつ弁護士を付けたらいいですかねー?」には法的な情報の非対称性があるリスクを回避するため「そこそこ大事な契約をしようと思った時!」という答えになるんじゃないでしょうか。

明日はSatosiYAMAGATAさん